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赤い鬼と青い鳥

赤い鬼と青い鳥 6話

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 教会に入ろうとしたが、案の定鍵は閉まっており、入れなかった。
 「どうかしたか」
 背後で声がした。
 「すみません、夜遅くに……」
 教会の関係者に怒られたかと思ったが、振り向くとあの鬼が立っていた。
 「あ」
 「どうした、泣いているようだが」
 「やり直しなんか、するんじゃなかった」
 「そうか」
 膝を抱えて座り込んだ。
 どうしたらいいのかわからない。

 「ねぇ。元に戻すことって、できないのかな」
 「元に戻すには、やり直しの宝珠が必要だな」
 「もう、ない」
 「なら無理だ」
 「鬼」
 「私は鬼じゃない。ジウバと名乗ったはずだが」
 「どこからみても鬼だけど」
 「そう見えるかもしれんが。私はオーガという種族であって鬼ではない」
 「どうでもいい」
 「そうか」

 ジウバと名乗った鬼が、私の横に立ってじっとこちらを見つめている。
 「やりなおしの宝珠、必要か」
 「まだ、もらえるの?」
 藁にもすがる思いで、ジウバを見上げる。
 「1万ゴールド必要だが」
 「ゴールド?」
 「我々の通貨だ」
 「1ゴールドって何円なの」
 ジウバは黙って首を振る。
 「そちらの通貨をゴールドに直すことはできないきまりだ」
 「なにそれ、じゃあ私には買えないんじゃない」

 「いや、条件がある」
 しばらくの沈黙の後、ジウバが、意を決したように言った。
 「条件?」
 まるで、悪魔と契約を交わす気分だ。
 「そなたの着ているものをこちらに渡せ。」
 「は?」
 「服と、靴もだ。聞こえなかったか」
 「……変態」

 「ちがう!」
 ジウバが大きく首を振る。彼が慌てているところを見るのは初めてだ。
 「ここで脱げと言っているわけではないぞ」
 「じゃあ、どうしたらいいの」
 「別のものに着換えろ。その服と靴をよこしてくれれば、ゴールドと変えてやる」
 「別のって言われても、持ってないわよ」
 「いったん帰ればよかろう」
 そう言われても、あの家に帰りたくはなかった。

 「ここでいいわよ」
 脱ごうとして、洋服に手をかけた。
 もとに戻れるのなら、なんだってする。

 「いや、そういうわけにはいかんだろう」
 ジウバがかなり焦っている。すこし優位にたてたような気がして、楽しい。
 「いいっていってるじゃない。元に戻れるのなら裸にでもなるわ」
 彼は困ったように頭をかくと、教会の中に消えていった。
 「待って、どこへ行くの」
 追いかけて教会に入ろうとしたが、やはり鍵がかかっていて入れない。

 しばらくそこで待っていると、ジウバが純白のドレスを抱えて戻ってきた。
 「これに着換えろ」
 「これって、ウェディングドレス」
 「私にはドレスのことはわからん」
 照れているのか私と目を合わそうとしないジウバがかわいくて、少し笑った。
 「はやく」
 物陰で、私はウェディングドレスに着替えた。
 一人では背中のファスナーが閉められなかったので、ジウバに閉めてもらった。
 教会の窓に、ドレス姿の自分がうつっている。
 ウェディングドレスを着ても、今の私は幸せにはみえなかった。

 「はい」
 着てきた服と靴を、ジウバに渡した。
 「この服は消えてしまうが、いいな」
 「いいけど」
 ジウバが念じると、服と靴はきらきらした水晶のようなものに変わった。
 「あ」
 「汗と涙の結晶だ。全部で4つになったか」
 「それで、やり直しができるの?」
 「いや、まだ足りないな」
 「そなたの家にある、絵筆とピアノも貰っていいか」
 「もう、なんでも好きにして」
 再度ジウバが念じた。
 ジウバの手の中に、同じ水晶が4つ、現れた。
 「ふむ、8個になったか。これなら1万ゴールドに足りる」
 「それじゃあ」
 「ああ。やり直しの宝珠を1つ、授けよう」

 ジウバが何かを唱えると、鍵が閉まっていたはずの教会のドアが開いた。

 ウェディングドレスを着て、バージンロードをジウバと歩いた。
 やり直しの宝珠を、祭壇の上にうっすらと浮かぶ青い炎にささげた。

 ダンスのスキルは、リセットしよう。
 そして-。

 「ねえ。スキルポイント、どんな風に割り振るか、あなたが決めてくれない?」
 ジウバの方を振り向いて、言った。
 「それも、できない決まりだが」
 「お願い。私、センスないみたいだから」

 ジウバはしばらく考え込んでいたが、しぶしぶ了承した。
 「内緒だぞ」
 「誰に、内緒なのよ」
 「それもそうか」
 ジウバの苦笑いをみて、結構男前なのね、なんて考えた。

 ジウバがどんな風に私のスキルポイントを触ったのか、私にはわからなかった。
 また、いつかのように気が遠くなっていった。





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