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あひるの子はみにくい

あひるの子はみにくい 8話

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 ユウコがファーストフード店でのアルバイトを終えて裏口から出ると、恋人のタクが待ってくれているのが見えた。
 「おつかれ」
 彼とは、このあと映画に行く約束をしていた。

 「疲れたよぉ。もうくたくた。」
 彼は、私にとって初めてできた恋人だった。優しいのだけが取り柄のような彼だが、私には今が一番幸せだと思えた。
 「映画、今から行っても始まるまで30分くらい余るよ。どっか行きたいとこある?」
 彼は、同じ大学に通う同級生。同じ授業をとっていて、たまたま近い席に座っていた。急に話しかけられた時は驚いたが、意外と気が合い、彼氏彼女の関係となった。
 「ううん、どこでもいい」

 高校時代は、彼氏なんて出来なかった。
 友達との関係に神経をすり減らすことが多くて、男子と賑やかに話している同級生を羨ましく見ていた。
 「そっか。じゃ、とりあえず行ってみるか。」
 彼が最近買ったというバイクの後ろに乗せてもらい、映画館の入ったショッピングセンターへと向かった。

 高校のとき自殺を図ったクラスメートのせいで、私はいじめグループの一員として扱われた。針のむしろのような生活だった。
 彼女が飛び降りるまで、私は嫌々彼女の悪口を言わされ、彼女が飛び降りてからは周りから口をきいてもらえなかった。
 もはや、私がいじめられていたのではないかという気持ちでいっぱいだ。

 この大学に、かつての同級生が1人も進学していないことにほっと胸をなでおろした。
 いわゆる進学校であったので、こんなに都会から離れた大学に進んだ者は私一人だ。

 この大学に入り、気の合う友達も恋人も出来たことを、本当に嬉しく思う。

 蒸し暑い夏の道を、彼のバイクに乗って走り抜ける。
 髪をなでる風が気持ちよかった。

    ******

 結局、映画館が入ったショッピングセンターの中にあるコーヒーショップで時間をつぶした後、以前から彼が見たがっていた映画を見た。
 いま日本で一番話題の脚本家、との触れ込みだったが、いまいち惹かれなかった
 それでも、彼はとても面白がっていたので、私も彼にあわせておいた。

 「今日の映画さ、想像以上に面白かったよね」
 デートの最後は、決まって私のアパートだ。
 彼は実家暮らしなので、必然的に私の部屋で過ごすことになる。
 ソファに座った彼が、映画のウンチクを語り始めた。
 こうなると止まらない。

 「あの脚本家はさ、舞台の脚本を主に書いてたヤツだからさ、構成がしっかりなってるんだよね。やっぱ、テレビの仕事しかしてないヤツとは違うよ。大体-」

 ピンポン。
 彼の話を遮るように、チャイムが鳴った。

 時計を見ると、夜の10時。
 だれだろう、こんな時間に。

 「なんだよ、こんな時間に。非常識だな。居留守、使っちゃえよ」

 居留守も何も、明かりがついてたら居るのバレバレじゃない。
 もしかしたら、うるさいっていう苦情かもしれないな、と思いながらドアを開けた。

 そこには、とても綺麗な女が立っていた。

 「こんばんは、夜分遅くにすみません。隣に引っ越してまいりました、鳥取アサコです。ご挨拶に伺いました。」





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