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人魚の王子様

人魚の王子様 5話

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 「エリコ!」

 翌日、会社から帰ってきた私を、興奮した様子のシュウが出迎えてくれた。
 魚と言うよりは犬のようだ、と思った。

 「なになに、どうしたの」
 主人にしっぽを振って今にも飛びかかりそうな犬を彷彿とさせるシュウに、「とりあえず座ったら」と声をかけた。

 「魚、いっぱい売れた。お金、いっぱい貰った。こんな魚なかなか釣れないよ、て褒められた。魚屋さん、紹介してもらった。」
 次から次へと言葉を投げかける彼に、「なんでそんなにカタコトなの」と、思わず笑ってしまう。落ち着いて、と言うと、ゆっくり話し始めた。
 要するに、予想以上にお金が手に入ったので喜んでいる。半魚人だらけの彼の故郷と比べたら魚の価値はずいぶん高いだろうな、と思った。
 「魚屋さん、紹介してくれたんだ。次から、魚屋さんも俺の獲った魚を買い取ってくれるって。」
 「うん、よかったね」
 彼が喜ぶのを見ると、私も嬉しくなる。

 「エリコ、目をつぶって」
 シュウが突然そんなことを言い出したので驚いたが、言われるまま目を閉じた。
 彼は私の手を取ると、指に金属の感触があった。
 指輪を買ってくれたのだ、と分かったが、ここは分からないふりだ。

 「痛っ。」
 シュウが力を入れて私の指に指輪を押し込んだので、少し痛かった。
 「これ、サイズ合ってない」
 私が言うと、彼は不思議な顔をしていた。
 「サイズ?」
 「うん、私の指10号なの」
 少し太めの指は、コンプレックスだ。

 「指輪に、サイズってあるんだ。ごめん、俺のいた世界は、指輪は自然とその人の指にはまるようにできてたんだ。だから、指輪にサイズがあるなんて知らなかった」
 「いいの。でも指輪が自然と合うようになるなんてすごいね。特別な材料があるのかな」
 「うーん、そういうのは分からないけど……。残念だな」
 そう言って、彼は私の薬指から指輪を引き抜いて、ポケットにしまった。

 「待って、ここに着けてよ」
 私は自分の小指を示した。
 彼は「そっか」と言って私の小指に、指輪をはめた。
 「ぴったり」
 喜ぶ彼が、かわいい。

 小指には、細かい装飾の指輪が光っている。
 露天商で買ってきたらしい。
 デザインも、つける指も、少し若すぎるような気がしたが、私はまだ24歳。
 まだまだ大丈夫だ。





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